赤ずきんとオオカミさん





  


   ある日、おなかをすかせたオオカミさんが森を歩いていると、赤ずきんのすがたを見つけました。



  

   「おいしそうな女の子だ、食べてしまおう」
   そう思いましたが、赤ずきんはオオカミさんにむかってこう言いました。
   「おなかがすいているの?わたしのお昼ごはん、わけてあげるわ」



  

   「はい、どうぞ」




  

   オオカミさんは赤ずきんといっしょにサンドイッチを食べました。
   それは、とてもおいしいサンドイッチでした。



  

   「赤ずきんがくれたサンドイッチは、おいしかったなぁ」
   つぎの日、オオカミさんはサンドイッチを自分でつくってみました。
   じょうずにできましたが、でも、何かが足りない気がします。



  

   「外で食べたから、おいしかったのかな?」
   そう思って、森に行ってみました。
   おうちで食べるよりはおいしい気がしましたが、まだ、何かが足りません。



  


   すると、そこに赤ずきんがやってきました。
   「あら、こんにちはオオカミさん!」
   オオカミさんは思わず言いました。
   「サンドイッチ、いっしょに食べないかい?」



  

   赤ずきんのとなりで食べるサンドイッチはとてもおいしくて、
   「そうか、いっしょに食べるとこんなにおいしいんだな」と、オオカミさんは思いました。

   「オオカミさんのサンドイッチ、とてもおいしかったわ。どうやって作ったの?」
   「じゃあ、こんどはいっしょに作ろうか」
   
   ふたりでいっしょにつくったら、もっとおいしいサンドイッチがつくれるような気がしました。




   おしまい。